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IT導入補助金とは?対象事業者や補助金額・スケジュールをわかりやすく解説

2024年3月29日
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ITツールの購入に、IT導入補助金を活用したい中小企業や小規模事業者は多いでしょう。IT導入補助金は2024年も公募されますが、補助の枠組みや内容は年度ごとに変更されています。この記事では、IT導入補助金の基礎知識やIT導入補助金2024の制度概要について詳しく解説します。IT導入補助金2024の申請の締切も紹介しますので、ITツールの導入計画を立てやすくなるでしょう。

IT導入補助金とは

IT導入補助金の概要イラスト

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する補助金事業で、2024年は上図5つの枠の中で、ご自身の目的に合致するものに申請が可能です。自社を取り巻く環境から強み・弱みを分析し、解決したい経営課題や需要に合ったITツールの導入により、業務効率化・売上アップのような経営改善を目的としています。

以下、IT導入補助金の仕組みと概要について解説します。

IT導入補助金の仕組み

IT導入補助金は中小企業や小規模事業者が業務効率化などのために、ITツールを新たに導入したときの経費の一部を補助する制度です。

補助金の対象は、IT導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者のツールに限られます。申請手続きは、IT導入支援事業者に相談しながら申請書類を作成し、IT導入補助金事務局に提出します。

IT導入補助金の概要イラスト

補助金申請者である中小企業・小規模事業者等は、IT導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者とパートナーシップを組む必要があります。

IT導入支援事業者とはIT導入補助金の申請者を支援し、ITツールの導入や申請をサポートする事業者です。IT導入支援事業者は、IT導入補助金2024「IT導入支援事業者・ITツール検索(コンソーシアム含む)」で検索できます。

IT導入補助金2024では、IT導入補助金2023からIT導入支援事業者が変更になる可能性がありますのでチェックするようにしましょう。

IT導入補助金の概要

IT導入補助金には、「枠」および「類型」で区分される分類があり、それぞれ目的や補助率、上限金額が異なっています。

IT導入補助金2023では「通常枠」「デジタル化基盤導入枠」「セキュリティ対策推進枠」でしたが、IT導入補助金2024では「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」「インボイス枠」「複数社連携IT導入枠」に改編されます。

IT導入補助金の各枠の説明図

参照:IT導入補助金2024の制度概要について
※1消費動向等分析経費のクラウド利用料は1年分が補助対象
※2小規模事業者の補助率4/5、中小企業は3/4
※3補助額50万円超の場合、50万円以下の部分は3/4(小規模事業者4/5)、50万円超は2/3
※4(独)情報処理推進機構(IPA)「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載のサービス

2023年にあった「デジタル化基盤導入枠」は廃止されますが、新設される「インボイス枠」が主な内容を引き継ぐと考えられます。デジタル化基盤導入枠の廃止によって、インボイス制度に対応していないソフトウェアおよびECサイト制作は補助の対象外となります。

インボイス枠で補助の対象となるITツールは、インボイス対応であることが必須です。インボイス枠(インボイス対応類型)ではインボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトの導入費用の、小規模事業者に対する補助率が4/5となります。

IT導入補助金の対象となる企業を確認

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IT導入補助金は、資本金・従業員数が一定の範囲内の中小企業、小規模事業者が対象になります。また、募集される枠ごとに対象外となる事業者もあるため、自社が補助金の対象であるかの確認が必要です。

ここでは、IT導入補助金2024の補助対象者を確認していきます。

IT導入補助金2024の対象となる中小企業・小規模事業者とは、生産性の向上のためにITツールを導入する日本国内で法人登記されて国内で事業を営む法人又は個人です。補助対象となる事業者は、業種ごとに資本金や従業員数が下記の表以下である必要があります。

【一般法人・個人事業】

業種 資本金または出資金の総額 常勤の従業員数
製造業・建設業・運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円 900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他業種(上記以外) 3億円 300人

【その他の法人】

組織形態 常勤の従業員数
医療法人・社会福祉法人・学校法人 300人
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 100人
中小企業支援法第2条第1項第4号に
規定される中小企業団体
主たる業種に記載の従業員規模
特別の法律によって設立された組合またはその連合会 主たる業種に記載の従業員規模
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) 主たる業種に記載の従業員規模

【小規模事業者】

業種 常勤の従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

参照:IT導入補助金2024| IT導入補助金とは

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【導入目的別】申請できる補助金の枠

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先述のとおり、IT導入補助金には複数の枠と類型があります。自社に適しているのはどの枠および類型かを知るため、以下で確かめてみましょう。

ITツール導入の目的と申請可能枠の関係性の図

通常枠(旧A・B類型)

通常枠は業務効率化・売上アップのような、生産性向上につながるソフトウェアの導入をサポートするものです。2023年には通常枠にA類型とB類型という分類がありました。2024年ではA類型とB類型という名称は使われなくなりましたが、枠自体は存続しています。また、内容に大きな変更はないようです。旧A類型と旧B類型は、以下のように補助金額とプロセス数が異なります。

以下、通常枠の要件や補助金額、2023年の申請の実績などを紹介します。

【2023年度要件】

  • 旧A類型:以下の➀~⑦のうち1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請する
  • 旧B類型:以下の➀~⑦のうち4種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請する

【2024年度要件】

以下の①~⑦のうち1種類以上の業務プロセスを保有する ソフトウェアを申請する(ただし、汎用プロセスのみは不可)

種別 プロセス
業務プロセス 共通プロセス ➀顧客対応・販売支援
➁決済・債権債務・資金回収管理
③供給・在庫・物流
④会計・財務・経営
⑤総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
業務特化型プロセス ⑥その他業務固有のプロセス
汎用プロセス ⑦汎用・自動化・分析ツール

参照:通常枠 | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

類型 1プロセス以上(旧A類型) 4プロセス以上(旧B類型)
補助金額 5万~150万円未満 150万~450万円以下
補助率 1/2以内
補助対象 業務のデジタル化を目的としたソフトウェアと導入関連費

参照:通常枠 | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

【2023年度申請件数等】

前期:交付決定事業者一覧| 中小企業・小規模事業者のみなさま | IT導入補助金2023 (it-hojo.jp)
後期:交付決定事業者一覧及び交付申請件数2023(後期事務局)| IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠は、サイバーセキュリティを強化する目的の枠組みです。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する、「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」上のサービスをメインとした補助を受けられます。以下、セキュリティ対策推進枠の補助金額や2023年の申請の実績などを紹介します。

【2024年度要件】

補助金額 5万円~100万円
補助率 1/2以内
補助対象 サイバーセキュリティサービス利用料(最大2年分まで)

参照:セキュリティ対策推進枠 | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

【2023年度申請件数等】

前期:交付決定事業者一覧 | 中小企業・小規模事業者のみなさま | IT導入補助金2023 (it-hojo.jp)
後期:交付決定事業者一覧及び交付申請件数2023(後期事務局) | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

インボイス枠

IT導入補助金2024ではこれまでの「デジタル化基盤導入枠」が廃止され、新たに「インボイス枠」が新設されます。インボイス枠は2023年10月1日にスタートしたインボイス制度への対応のためのITツール導入を支援する枠です。インボイス枠には大企業も支援の対象となる「電子取引類型」と、少額のITツール導入も支援する「インボイス対応類型」の2種類があります。

電子取引類型 インボイス対応類型
補助金額 ~350万円 【会計・受発注・決済ソフト】
① 50万円以下 ※1
② 50万円超~350万円 ※2・※3
【PC・タブレット等】
~10万円
【レジ・券売機】
~20万円
補助率 中小企業・
小規模事業者等:2/3以内
その他事業者等:1/2以内
【会計・受発注・決済ソフト】
①中小企業:3/4以内、
小規模事業者:4/5以内
②2/3以内
【PC・タブレット等】
1/2以内
【レジ・券売機】
補助対象
  • 受発注システム
  • 会計ソフト
  • 受発注ソフト
  • 決済ソフト
  • PC/ハードウェア
  • ※1 会計・受発注・決済のうち1機能以上を有することが機能要件
    ※2 補助額50万円超の際の補助率は、補助額のうち50万円以下については3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超については2/3
    ※3 会計・受発注・決済のうち2機能以上を有することが機能要件

    参照:インボイス枠(電子取引類型) | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)
        インボイス枠(インボイス対応類型) | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

    複数社連携IT導入枠

    IT導入補助金2024では「複数社連携IT導入枠」が新設され、これまでの「デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)」の内容を引き継ぐと考えられます。複数社連携IT導入枠では業務上つながりのある「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地」に属する複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入し、生産性の向上を図る取り組みを支援しています。

    複数社連携IT導入枠についてのイラスト

    参照:複数社連携IT導入枠 | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

    IT導入補助金の対象ツール

    オフィスで働く人の写真

    IT導入補助金の補助の対象となるITツールとは、業務効率化のために新たに導入されるソフトウェア製品やクラウドサービスなどです。導入に関連するサポート費用や設定費用も該当します。ただし、IT導入支援事業者によって、事前にIT導入補助金事務局の審査を受けて登録されたものに限られます。

    IT導入補助金のIT導入支援事業者や、対象となるITツールは以下のページで検索可能です。
    参照:IT導入補助金2024|IT導入支援事業者・ITツール検索(コンソーシアム含む)

    IT導入補助金2024では、IT導入補助金2023からIT導入支援事業者や補助対象のITツールが変更になる可能性があります。参考リンクから情報をチェックするようにしましょう。

    IT導入補助金の申請スケジュール

    電子機器を操作する人の写真

    現在確定しているIT導入補助金2024は、以下の募集回までです。受付開始は2024年2月16日を予定しています。

    IT導入補助金2024 申請スケジュール

    導入枠 締切日
    通常枠・セキュリティ対策推進枠・
    インボイス枠(電子取引類型)
    第1次締切 3月15日(予定)
    第2次締切 4月15日(予定)
    第3次締切 5月20日(予定)
    インボイス枠(インボイス対応類型) 第1次締切 3月15日(予定)
    第2次締切 3月29日(予定)
    第3次締切 4月15日(予定)
    第4次締切 4月30日(予定)
    第5次締切 5月20日(予定)
    複数社連携IT導入枠 第1次締切 4月15日(予定)

    参照:IT導入補助金2024|IT導入補助金2024の制度概要について

    最新の情報は以下から確認できます。
    事業スケジュール | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)

    IT導入補助金2024に交付申請する場合、締切の1カ月前にはIT導入支援事業者との打ち合わせを始めましょう。

    IT導入補助金の申請方法・流れ

    IT導入補助金を受け取るためには、以下の10つのステップを踏む必要があります。

    補助金申請の流れと申請方法のイラスト
    • ① IT支援事業者・ITツールを選定する
    • ② 「gBizIDプライム」アカウントの取得・「SECURITY ACTION」の実施
    • ③ 「みらデジ経営チェック」の実施
    • ④ IT導入支援事業者とのマッチング・ITツールの選定
    • ⑤ 交付申請
    • ⑥ 交付決定
    • ⑦ ITツールの発注・契約・支払い
    • ⑧ 事業実績報告
    • ⑨ 補助金交付
    • ⑩ 事業実施効果報告

    IT導入補助金の申請で採択されるためのポイント

    POINTと記載された写真

    IT導入補助金は申請すれば必ず受けられるとは限りません。そのため、採択されるためのポイントを押さえることはとても重要です。補助金申請が採択されやすくなるポイントを見ていきましょう。

    • 補助金の対象外となる事業者・事業に該当しないか確認する
    • 申請内容が生産性向上の効果が認められるものになっているか確認する
    • 申請内容に不備がないか確認する
    • 過去実績がある支援事業者を選定する

    IT導入補助金の交付申請が採択されるためには、上記のうち支援事業者の選定が特に重要です。IT導入支援事業者の選定の際のチェックポイントは、以下のとおりです。

    • 自社が導入を希望するITツールに対応している
    • 多種のITツールを取り扱っている
    • IT導入補助金の採択実績がある
    • オンラインでも対面でも面談できる
    • 経験豊富で的確なアドバイスを期待できる

    IT導入支援事業者の選定においては、補助金を最大限引き出すために過大なツールの導入を提案するような事業者を避けましょう。自社の状況に合った提案をしてくれる事業者であれば、長くパートナーとして付き合っていけるでしょう。

    まとめ

    IT導入補助金は、小規模な事業者がIT導入やDXによって生産性を向上させるための制度です。IT導入補助金2024はインボイス枠が新設され、小規模事業者がITツールによって効率的にインボイス対応できるように配慮されています。導入を希望する事業者は交付申請のスケジュールを確認し、早めに申請の準備に取りかかりましょう。また、今後、追加の情報が発表される可能性もあるため、随時最新情報をチェックするようにしましょう。

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